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自筆証書遺言保管制度⑦

今回は、自筆証書遺言の保管申請のうち申請書に関する補正事例と、申請の撤回または変更について触れたいと思います。


1.申請書について

保管申請に関する申請書に関して以下の補正事例があります。

①保管申請書に記載した遺言書の住所、本籍が住民票の表記と異なる事例
※住民票に記載のないマンションの名前等が申請書に記入されている場合があるようです。
 申請書には、建物名を記入する欄が用意されているので、建物名も記入した方が良さそうに見えますが、住民票等と同一の表記で記入する必要があります。

②受遺者等、遺言執行者等の記載が漏れている事例
※受遺者「等」や遺言執行者「等」には、「祖先の祭祀を主宰すべきもの(受遺者等)」、「廃除する意思を表示された推定相続人(受遺者等)」、「未成年後見人(遺言執行者等)」が含まれています。
そもそも受遺者や遺言執行者の記載が漏れることは少ないようですが、申請書上では、この「等」に何が含まれるか一見してわからないので、この「等」に含まれるものの記載が漏れることがあるようです。

③予備的遺言の場合に、受遺者等、遺言執行者等の記載が漏れている事例

2.申請の撤回について

以下のような理由で、申請の撤回が行われた事例があったようです。

①遺言書の内容を変更するため
※法務局で保管されている遺言書の内容を変更したい場合、保管されている遺言書を一度撤回し内容を変更したのち、遺言書を改めて保管申請することが推奨されています。

②住所変更に伴って撤回するもの
※遺言者の住所等に変更が生じたときには、速やかにその旨を遺言書保管官に届出をしなければなりません。
必ずしも保管されている遺言書を撤回する必要がありませんが、後々追加保管をする場合、例えば、東京本局で保管申請をして、関西に転居した場合、手続きを行うために、関西から東京本局に来る必要があります。
後々、追加保管(撤回、再保管も同様)を行うことが見込まれるケースであれば、予め撤回してから転居し、関西の遺言書保管所に再保管した方が、遺言者にとって負担軽減になります。

3.申請の変更について

①死亡時通知の対象者の住所等の変更が漏れているものがあります。
※受遺者等、遺言執行者等の中の1名を死亡時通知の対象者として選定し、その者の住所に変更が生じた場合、遺言執行者の住所のみ変更届出書に記載して、死亡時通知の対象者の住所変更が漏れていることがあります。

②死亡時通知の対象者を変更したり、新たに指定したり、指定を解除することも出来ます。