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令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法⑦

何回かに渡って令和3年改正民法、不動産登記法等について書きました。

 

昨年12月14日、施行日を定める政令が閣議決定されたので、ご報告いたします。

 

新法の施行日について

 

【原則的施行日】

公布の日(令和3年4月28日)から起算して「2年」を超えない範囲内において政令で定める日とされています(改正附則第1条第1号)。

 

民法の改正部分(共有、相隣関係、財産管理制度等)や、不動産登記法の改正部分のうち休眠登記の抹消手続の簡略化等に関する部分、土地所有権の国庫への帰属の承認等に関する制度の新設などです。

 

正式な施行日については、国民への影響を考える、新年度がスタートする2023年(令和5年)4月1日になる可能性が高いと思いますと述べましたが、見事的中しました。

民法の改正部分(共有、相隣関係、財産管理制度等)や、不動産登記法の改正部分のうち休眠登記の抹消手続の簡略化等に関する部分については、2023年(令和5年)4月1日施行で正式決定です。

 

ただし、土地所有権の国庫への帰属の承認等に関する制度の新設は、2023年(令和5年)4月27日施行に決まりました。

こちらはハズレです。

 

法務大臣から承認を受け、かつ、10年分の管理費相当額を納付することで、当該土地を国庫に帰属させることが出来る制度で、管理費の基準額は政令に定められる予定です。

他の改正に比べ、政令や通達等の準備が数多く必要なことから、5年ぎりぎりまで伸ばしたのではないかと推測しております。

 

【第2号施行日】

公布の日から起算して「3年」を超えない範囲内において政令が定める日とされています(改正附則第1条第2号)

 

相続登記の申請義務化をはじめ国民への影響が多く、周知期間が必要な以下のものが挙げられています。

①相続登記の申請義務化

②相続人申告登記(相続登記に代わり手続き的に簡易な手続)

③外国に居住の登記名義人の登記事項の見直し(国内の連絡先の登記)

④法人の登記事項の見直し(会社法人番号の登記)

⑤DV被害者等を保護するための住所情報の公開見直し

 

正式な施行日について、国民への影響を考えると、新年度がスタートする2024年(令和6年)4月1日になる可能性が高いと思いますと述べましたが、見事的中しました。

2024年(令和6年)4月1日施行で正式決定です。

 

【第3号施行日】

登記システムの改修が前提になる改正項目については、公布の日から起算して「5年」を超えない範囲内において政令が定める日とされています(改正附則第1条第3号)。

 

主なものは以下のとおりです。

①住所等の変更登記の義務化

②所有不動産登記記録証明制度

③登記官の職権による死亡情報等の登記

④登記官の職権による住所変更等の登記

 

住所等の変更登記の義務化については、登記官の職権による住所等の変更登記の制度を設けたうえで国民の負担を最小限に押さえる方向が検討されています。

登記官の職権による住所等の変更登記は、登記システムを改修したうえで住基ネットと情報連携を行うことが前提になっています。

そのため、住所等の変更登記の義務化も他の改正より長めに施行日を定めており、公布の日から起算して「5年」を超えない範囲内において政令が定める日とされています。

 

こちらについては、まだ正式発表しておりません。

国民への影響を考えると、新年度がスタートする2026年(令和8年)4月1日になる可能性が高いと思いますと述べましたが、システム構築が絡むので、5年ぎりぎりになる可能性もあると思います。