〒101-0047 東京都千代田区内神田1丁目18−11
東京ロイヤルプラザ 813 TEL:03-3233-0661
先日弁護士法人の設立のご依頼がありました。
弁護士法人の登記の先例、弁護士法及び規則を確認しつつ、日本弁護士連合会発行の設立の手引きを参考に登記手続きを進め、無事完了しました。
参考にした日本弁護士連合会発行の設立の手引きは、2001年11月30日発行された初版でした。
第二版以降の手引きは見当たりませんでした。
20年以上経過しているので、法改正等により、妥当でないところもあります。
設立の手続きを参考に設立手続きを進める場合、特に注意した方がよいと思う事項について以下書きます。
①「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」により、弁護士の欠格事由から「後見開始又は保佐開始の審判を受けたこと」が外されております。
定款の記載例は以前のままですので注意しましょう。
②弁護士法では会社法の持分会社の規定を数多く準用しております。
任意退社に関するやむを得ない事由のある場合の脱退ですが、定款の記載例では「やむを得ない事由があるときは、各社員は、6か月前に予告した上で営業年度の終わりにおいて脱退することができる」旨記載されております。
弁護士法30条の3で準用する会社法606条は任意退社の定めは、次のとおりです。
「第606条 持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができる。この場合においては、各社員は、六箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければならない。
2 前項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。
3 前二項の規定にかかわらず、各社員は、やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる。」
定款で、第3項(やむを得ない事由があるときは、いつでも退社することができる)に反する規定を定めることはできないように存じます。
③定款は、公証人の認証が必要となります。
公証役場に提出する書類と法務局に提出する書類が若干違うので注意しましょう。
日本弁護士連合会発行の社員の資格証明書は公証役場、法務局共に必要です。
公証役場では、定款の作成が申請に行われたことを確認するため、社員の全員の印鑑証明書の提出が求められます。
これに対して、法務局では代表権のある社員の印鑑届書に印鑑証明書の提出が求めれますが、代表権のない社員の印鑑証明書の提出は不要です。