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【業務情報】
その1に引き続き「デジタル遺品」について触れたいと思います。
日本法制度においては、デジタル遺品を直接規定する法制度等は存在しません。
そのため、デジタル遺品を法的にどう処理するかについては、既存の法律の枠組みの中で検討せざるを得ません。
「デジタル遺品」について明確な定義はありませんが、「パソコンやスマートフォン等のデジタル機器に保存されたデータやインターネットサービスのアカウント等」と定義させて頂きます。
デジタル遺品は、「オフラインのデジタル遺品」と「オンラインのデジタル遺品」の二種類に分類されております。
今回は、「オフラインのデジタル遺品」について検討したいと思います。
「オフラインのデジタル遺品」とは、「オフライン」という言葉が示すとおり、インターネットとは繋がっていない状況(オフライン)を前提としたデジタル遺品であり、デジタル遺品の定義の前半部分である「パソコンやスマートフォン等のデジタル機器に保存されたデータ」を指します。
具体例として、パソコンやスマートフォン内に保存された文書や写真データ、インターネットサイトの閲覧履歴やダウンロード済みのアプリ(インターネットに接続しなくても使用できるもの)等が挙げられます。
その本質は、デジタルデータ(いわゆる「無体物」)であり、第三者の存在を前提としません。
オフラインのデジタル遺産である、デジタル機器内に保存されたデジタルデータは、いわゆる「無対物」であり、所有権を観念できません。
もっとも、デジタルデータが保存されているデジタル機器の相続を介して、そのデータの処分が可能となります。
相続人が、故人が保有しているデジタルデータのうち、欲しいデータがある場合、そのデータが保存されたデジタル機器等の所有権を遺産分割協議により相続すれば、既存の法律の枠内で、基本的な処理は可能となりますので、ご安心ください。
次回は、「オンラインのデジタル遺品」について触れたいと思います。