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令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法④

前回に引き続き、令和3年改正民法、不動産登記法等について書きます。

③国内の連絡先の登記について

不動産の所有権の登記名義人が外国に居住するときは、登記記録から登記名義人の所在を探索することが困難になる場合が少なくありません。

登記名義人へのアクセスをより容易にするため、日本国内における連絡先として、所有権の登記名義人以外の連絡先となる者の氏名又は名称及び住所等を登記することになりました。

この制度は、所有権の登記名義人が外国人であっても、在外日本人であっても、適用されます。

 

④所有不動産記録証明制度について

相続登記の推進等のため、日本国内において自己を登記名義人とする不動産の一覧(所有不動産記録証明)の発行を求めることが出来る仕組みが新たに設けられます。

所有不動産記録証明の取得は、所有権の登記名義人又はその相続人のいずれかの者に限られます。

従来の不動産の名寄帳に代わる証明書を法務局が発行する制度だとイメージして頂ければわかりやすいと思います。

 

⑤その他の改正論点について

その他改正点は数多くありますが、個人的に特に気になるものとして、土地所有権の国庫への帰属の承認等に関する制度が創設されたので、その制度について言及したいと思います。

相続によって取得した土地のうち、ⅰ建物が存しない、ⅱ土壌汚染がない、ⅲ担保権の設定がない等の一定の要件を満たすものについては、法務大臣に対して、国庫に帰属させることについて承認を求めることが出来ます。

そして、法務大臣から承認を受け、かつ、10年分の管理費相当額を納付することで、当該土地を国庫に帰属させることが出来ます。

管理費の基準額は政令に定められる予定です。

本制度は、相続によって取得した土地を対象としていること、上記の要件以外にも承認のための詳細な要件があること、について注意が必要です。